詩『服の記憶を奪われた半透明の全裸人間』

目的地を持たず、浮遊する霊的沈没者達の、虚ろな表情筋が、
未だ壁の中に隠れているはずの同志(存在しない)に、優しく蠢く、
痙攣し、振動する、陰者特有の暗号、無人と友人する唯一の技術、
名前を格納する箱に、名前以外の空気を詰め込んで、冷たく暇を持て余し、
箱の外側を真空化する魔法を、あの世この世と飛び散らす、
明かりのない街に、静かに、遅く、しかし確かに浸透する、神の味つけ、
服の記憶を奪われた半透明の全裸人間たちが、巨大な舌からぼろぼろこぼれ堕ちる、
歩くために歩き、立つために立つ者、新しい原理をその身に宿した無音の群衆が、
誰にも気づかれることなく、すべての道にひとりずつ、重さを忘れて現れた