詩『頭かかかか かかかか かかかか 抱える』

頭かかかか かかかか かかかか 抱える こと

その仕草が支えてくれる ものもあるから今は 棒立ち しよう 

何もしない人間のできあがりさ 本当に 

雑念を払っていたら いつの間にか大事なものまで捨ててしまっていた 

いきすぎたミニマリストの部屋 価値あるものは奪われ済みの廃墟

有無を言わせぬ空白 がらんとした広場に響く そよ風が 妙にうるさい

別に悲しいわけじゃないですよ 自然なだけで 

その林のなかを通り過ぎた象は近頃 林のほうに似てきたようだ 

ここで 喋る木 のご登場 珍しくも昼には歩き 夜に泣く 奇妙な木

垂れるべき頭を失くし はじめから首がないものとして生まれ変わった というわけね 

わたくしは 歌の舞台としてなら役立つが それだけ

お前たちの住処になることは できない 人間の毒が 体の隅々に渡り 蝕んでいるから

深き眠りは根のほうに 浅い呼吸は葉のほうに かつて神経だったものがゆるやかに広がる 

首から下へ 8万×250ボルトの電流が まだ広がっている