2019-01-03から1日間の記事一覧

詩『偶像と抽象』

過去の偶像を倒そうとする万物は呼吸を忘れて死ぬだろう何にも噛み合わない暴力には卵を投げたのち鍵をかけてしまえ 抽象へと帰還する道はいつ見ても美しく舗装されている 失敗の幻想に従って蜘蛛が巣を張るように混沌が苦しむところで喉鳴らし惑乱する精神…

詩『陽気な鷲がその翼からばらまいた黄金は軽い』

豊かな氷は首をしめあげられた犬のように赤い緊張感のある他殺の冷ややかな空気と真逆の場所で単独で永久回転する頭脳が生やした千本の足ランダムに蠢く足は氷の大地を目指して全方向に走る地下の冷たい腕輪や 復活した黒い蛙のパラシュート降下を見るために…

詩『サーモグラフィック・コスモ・ヴォイス』

神秘の中枢は予測済みの言葉のリストへと分裂してしまったまだ言葉を知らなかった頃の作家が辞書を手にした時よりもその腐蝕は高速だ私は肉の全体が立ち上がる靄となって押し上げる旋回する意識のみを肯定する 人の内なる幻想があらゆる夢の破れた直腸からの…