詩『気泡ゼロの世界で君の真空を取り出してあげよう』

悲しみの裏側に光る心臓の上でさえ主張のある者は強い
腕を広げピエロの服着た少女の視線のように
指向性のあるものの全てが
私のなかでは歪んだ砂糖菓子に成り果ててしまう

私にとって先端と終端は同じ意味を示す
それが私の円環なのだろうか?
水槽の記憶 水槽経験とその感情の魚・銃弾

何も思い出せない日々が私の全行為を滑稽にする
即興音楽の笑い方で私は笑われている

たった十本の指が白い清々しい錠剤となってテーブルの上にばらまかれた
熱的現実から目をそむけてはならない 君は倒れてもいいが溶かされてはならない
回転は真理だ つまり『それ』はまた『ここ』に来るだろう 
誰もが遠くから直接 私の内部の隠れた流体にアクセスする

朝の挨拶をする鳥の声のように立ち上がり 私は準備しなければならない
唯一の異法は血で稼ぐことだ 
明日や千年の単位を恐れて骨を語ることをやめてはならない
せいぜい白く(赤く)語ることだ

始まりに落とされた小石は終わりから飛び出し
呼吸を思い出してからまた上昇し始まりへ戻る
その永久連続運動のなかでさえ君だけは
私のことを思い出す

気泡ゼロの世界で
君の真空を取り出してあげよう

私に可能なことは私だけが可能にする