詩『君は鉄板のテクスチャーが意味を持つ瞬間に生きたことがあるのだろうか』

僕が僕でなく 君が君でなくなるように
Common Senseにいざ告げる

僕は曲・番号に向かって祈る
過去が数字に溶け込んでしまう君は 知らない光で三度
her her herと声 高くして唄われる

消える分岐に手紙を書くよ
それは生の始めに受け取られた手紙だった
これはループではない 軽々と消えかかった運命の残骸

今の僕には笑い声だけが本当だ 二つ目の頭だ

未来から自分を眺めた声が重なって全体を成す
誰でもない君の命が新しい形に欠けていく
東の方位を越して来る 君は
鉄板のテクスチャーが意味を持つ瞬間に生きたことがあるのだろうか

時も分からずに全ては不鮮明に弾けていく
その選択のために緊張が 永遠 引き伸ばされて苦しみになる
だからやっぱり虹は乾いているんだね

虹を

虹と思ったことが無いように赤が 赤でなく君は 異形の爪を備えてやってくる
背中の傷はまだあるか 確かめに乾き 回転する 最後の歪みからここへ
貫 い て 来 る

一瞬はまずゆっくりと破裂することを選んだ

透明のなかに憂鬱は有り迷路のように垂れ下がっている
終わりはいつも零(れい)の命で その諦めはいつも綺麗で
僕は今日も死で閉じられる手紙を読む