詩『滞留袋/人類が呑む/クォ青おおん』

『滞留袋』
”明日”がここに滞っているのだ
侵略を自覚した侵略者が形式侵略している
選択は拡大・拡大は防御

私達にとって重要なことは性の対象とか時間の対象だった
統一的な思想の不条理を駆逐する戦隊員への報告
双曲線光背工場の音中心を聞く

鉄柱離れ
釘付ける世界を満たす真っ静かな散歩
自立した看板の物語
おお それは物語だ
滞りなく物語だ

滞っているがゆえに君は袋だ
矛盾を袋に詰めて
重みを与えて
いつでも投げつけられるようにしよう
悪いことをしよう
何も滞らないように袋に穴でも開けて遊ぼう

どこに投資するかといえばどこにでも行ける足に
何を否定するかといえば何でも笑える軽薄さを

滞留は敵だ
敵は
私達の苦痛を伴う”今”の周囲をなぞり
その実在輪郭をいやらしく確かめている

 

『人類が呑む』
集合反意識への融合
青空を忘れた人間たちの
暗い寄り添い

全感情の幻塵になる
塵から大地は作られる
本質的な他者の肯定

愚かなる正気の滅亡を横目に
俺は燃えているのだ
炎を思い出して数十億の脳を停止する

愛されること・助けてもらうこと
嬉しいことは数え切れない混合歓喜

足跡は乱れていてその細切れの意識の再開拓が分かる
私達の存在関係を語るための言語だ
ぽつぽつと集まってはあはあ呑まれる意志
人類の液体状意志

呑み干された思想の墓がそこかしこで人の形を象る

 

『クォ青おおん』
クォ青い青青い青おんおんおんお
青い青クォクォ青いおんおん青おんクォ

青クォいクォんお青ん青おん
クォ青おおんおん青クォんおおん

ク青ォんおォク青おんおんクォおん青