詩『私はぼんやりと、誰かの死を祈っているのだろうか』

私はぼんやりと、誰かの死を祈っているのだろうか、そうする事で祈りの力を信じたい、のだろうか、
飛び降り、恨まれ、首筋、を切り刻む夢、その中で、ゆったりと座り、悪魔の想像を盗み見る、
ようなことで怒られ、違反者として吊るし上げられ、自分が自分の作り出した大衆に殺される、
火、火の渦で死ぬのはいつも通り、私だったと気づく、予定通りに物事が進行すると褒められる、

あちらとこちらを紐で結びつける幻想が全ての源泉だ、脱線と連想その両方を混ぜたものきらびやか、
自らの持つ欲望を正しく把握できないだけの幼児性の混乱、あなたか私かどちらかの夢、
明確な線で存在するはずの未来を決定する願いごと、存在しなければ世界が揺らいでしまうからそれはある、
たったひとりで崩壊したくないだろう?、そのためにみんなのために運命はひとりひとり用意されている、

ここに想像を想像として隔離するための道具があるので使うといい、ありがとう、
次の瞬間私は閉じ込められている、ドアノブは外されている、のっぺりとした世界の表面、
だが取っ掛かりの無い壁は無い、と言ったのは誰だったのだろう、氷の上で滑らない靴のような人だ、
その歩き方は歩き方を人から奪ったロボットのようで、何がなんでも殺したかった、世界を滑る暴力、

私は信頼に値する人格を形成できているだろうか、他人をむやみに攻撃していないだろうか、自問する、
我が成長する精神の大いなる辞書、その遥かなる解説、誰かこれを声に出して読んでくれないか、
絵本を子供に読み聞かせるように、映画の予告編のように、人生を要約してほしいと願うことがある、

動物の掟に従って食い殺されて、筋肉や血や脳を動かすエネルギーとなって世界中を移動する自由に、
夢より昏き深淵を見出す、腕の中で死す、透明な命、細切れになる、初心者の切る野菜のように飛び散って、
世界各地で火の手が五指をアピールする、あたりは薄暗くなってきたよ、これはきっと終わりの始まりだよ、
終わる人がいれば、ここにとどまる人がいる、色々だ、色々いて煩わしいのは光と同じだ、人は光ではない、

正直言って祈るなんてしたことがない、神様の文章や神様の音無しに安楽死できるように制度を整えるべきだ、
方法はなんだっていい、人生の時間は一瞬にするべきだ、祈りに力なんてない、命に力なんてない、
飛翔する鳥の魂を追いかけて軽く握って卵を割るように割る、感謝され歓ばれ心と感情を結びつける明るい未来、

私は焦った顔で劇場を出て、天使に鉄の首輪を嵌められてしまう、それに気づかず適当に海に入り、
首輪の重さでやわらかい土に際限なく沈んでいく、魚に見下されて、水水水だらけの未来が見える、
このまま水の渦の中で生き続けてしまうのだろうか、それでもいいと思える何かが見つかるだろうか、
現実の息苦しさ、他人がそばにいることの緊張感、疎外と孤独、疲れ、体力、暑さ、その他、

他人が私に何を望むのか、それよりも前に、私が私に何を望むのか、死か、それとも他の広大さか、
いずれにせよこの全てが幼児の領域に閉じている、だから安心だ、完全だ、今この場だけのゲームだ、
もう薄暗いから、死を祈るように、眠るように、家に帰るように、決定的な瞬間の、
目撃者にならないように縮こまりながら、静止する地球と、その上で静止する人間をイメージして、
神様が発狂する、それを無視する、無視する私、無視される私、祝福は水、水は祈り、窒息する!