詩『ありえないことしてる君に』

感情をゆきゆきで引っかからぬよう善意で分解しておいてそれは
なんもできなそうな人間の独裁的な小ささを慰めるために生まれる

だが為す術無く乗じるのはいつだって棒のように苦しい

理想化されたバケツは人の願望植物で頭いっぱいにして
静かに暗闇の中で燃えて
朝出荷される野菜のような愛になり希望になり
電波塔の下に生える死と絶望になり
そうしたものへの反動にももちろん寄り添うよって感じのポーズを取る

こうして(やったなあ嬉しいなあ・ひぃえっは)
全ての求めに私達は応じることができる
私達に用意された黄金が魂だという声がクソほどある
なんと臆病な猿だよ!王国の女神に乾杯!

目がくらんだ魔女(答えの姿をしている)の
夢を構成する真実の砂粒ひとつひとつがとんでもなく恐ろしい
なんなら始めから全てを説明しておいてくれたらいいのに
そうすれば一生驚かなくてすむのに

言葉は街のどこにも無い本当は俺だけがそれを知っている
光に照らされた昆虫達が身を寄せ寄せ寄せ寄せ寄せ寄せ合っていて
なんとなくやれてるそれでいい そ☆れ☆で☆い☆い

反論として老婆が口を開きそれは大人の思想だわなと言う
が俺はそれだって老婆の思想じゃないのと思う
老婆のように終わらせることは俺にはできない
でもいつかは俺も召喚に応じるだろう
それは明日かもしれないんだよな(核・鬱)

求められることを求める
空気を求めるように求められたいと思う
全て切り裂いてやる成立するものは皆悪意に還ればいい

窪みの中に転がっていくひと団子の思想を
ありえないことしてる君に