詩『不自由証明』

君は既に殺されていた 無意味な明日に戻されていった
循環する加害の幽体離脱最高でしたって言ってどう思われたいのか 
いつかつらいことも乗り越えてゆける準備も無しでどうしてそう思えるのか

返さない図鑑 飛ばされたチキン 避けられた運命 
蹴って読んで食って吐いた真っ赤な楽観 
平らな渦は中心を忘れ 流れに身を任せている
檻の中の怠惰な猿が まるで俺の現在だった

鳥の 肉の部位ごとに返し刀で君を忘れるんだ最後に
理由もなしに曖昧に 予言どおりの大怪我と折れる骨 牙との再会 
車ある生活 明日からの手紙 冷たい太陽 異常な発汗
永遠に始まらない出来事の記憶 参加表明地獄の喪失 
背中いたいの 読んでる本全部重たいの 才能軽く捨ててきたような道化

閉じたはずの扉が開く 手はずは整っている
これでもう懲りた と思ったら自宅で死んでた
「これは/それは」(土星の)
「出口」(の鍵)
「ではない」(胸焼ける夢溢れて濡れていく)

家という名の外で話す 晒す首歩くの見た?
右向く前から話しているでしょちゃんと聞いてよもっと
失われた指の 暗闇の諸機能 願い叶える行かないでその前に 
後ろから前へ祈れ乗れ犬車で飛べ 沈んだ船内だんだん傾いて広い
不自由証明絵に描いて自由 面影宇宙 シトシトけがせ 美しく

君は既にこうやって生きているよねそうだよね
ここではそれは嘘だと知ってる人ばっか だそうです
ああそうですか躁です 全部誰かの楽しい妄想 嘘 逃走経路へ進め

魂の不自由は新しく 優雅な理想は弾かれる
呪詛穴二つ裏返して空虚その中で生きてるリンボの生き物