詩『風船風船タイム』

君を視てるといつも(私の世界に浮かぶ君の「写真」の貼り付けられた風船が際限なく膨らみいつ割れるかも分からない恐怖と不安で胸が苦しいこの風船が私にとって唯一の君なのに君は永遠にこの風船の代わりにはならないなぜなら君はこの風船に空気を送るポンプで私も同様にこの風船を保管するためだけに用意された空間だからいったいこの風船がなんなのかそれがわからないので風船の限界は自分で決める膨らみきったと私が信じたときにはその風船は夜空に飛ばす夜空はやがてこわれた風船の破裂の音をどこかで聴いて満足そうに新しい色新しい限界を持った風船を私に与える私はまた風船を膨らますために新しいポンプを探してさまよう運が良ければすぐに見つかるしそうでなければ萎んだ風船をひとつ抱えただけの無力な私はいつかひとりで消えるだろう)ハートドキドキ