詩『可能性のしずく』

目と水の吐きそうなほどの引力の果てで再来する思考、青空の高さについては考えるまでもない、逝けば逝くほど未来には何も残されていない、裸足になったところで救われる心はない、逃した魚がいつか助けてくれると思うほどの無意味、失われたというほどの形も無かったことを人づてに聞いてしまう意外、甘い運命の扉を閉じていつもこれが最後だと思うことにしている、

ほっとした次に地団駄を踏む、君のせわしない毎日に応えることはできない、ここで独りで何かをしていることだけが、できてしまう、それだけが僕ができる他世界解釈のための調和だ、空気すら声に出してみない分からない、色々なことの理由を、その想像した推移のなかで見つけられることが羨ましい、ミサイルに抱きついてようやく私になるくらいの私では、宝物をひとつも持たないでいるための撃つたびに目の前が消滅する相槌しかできない、消滅、汗ばんだ空気、宝物の、きらめきよろめきさけびなげきこうげき、

注射の針のトンネルで、呼びかけが反響している、どこにも逃げない歌は歌われているはずだ、でもどこで?もっともっとちゃんと聴きたいんだノックの音で刻まれた魂の言葉を、刻まれていたほうが嬉しい言葉もある、スキップできるオープニングは原理的にオープニングではない、再来する思考は運命ではなく、対岸から反響する呼びかけ、

生き残った私達で青さを、青く信じよう、肉体とかを、肉体の散らばった場所では感情の兵士が立ち尽くす、青く信じているのだろう、向こう側へ抜け抜けていくこととかを、ワッワッワッ、青く、信じているのだろう、それだけがホンモノなのだと、それ以外のホンモノを知らないから、自分の正解可能性は自分でひらいていきたいのに、ワッワッワッ、これも青い信仰のひとつだろうけど、それでも目と水は月と地球の比喩のまま生き残る、宇宙の法則がここでは青空(脳)を高く逝く卑小な生命のおまけになる、逃し忘れた親愛を超えて、もっともっとちゃんと食べていくよ、君や君の可能性を、可能性の運命、可能性のしずくを。