詩『他世界解釈/「クソが夜。」/アルター・エゴ』

他世界解釈

誰が! 誰が?
本当の世界に滞在しているのか?
俺は「幸福なものに触れている間だけ…」という嘘をぶちのめすハンマーだ。
低解像度の嘘は墓の上空で死ぬがいい、パラパラと砂以外の音をたてて。
完全に気分で壁に叩きつけられた、悪魔的な・直接的な大声は消えろ。

「ここでは何も起こらないのか!?ああ、本当に何も…。」
「……寝ているのか?」

一連の出来事は稀である。(精神の特性が新たに発見されるだけだ。)
簡潔な星は壁・実存に衝突し、壁・時間に弟たちの夜を作る。
経験に強いられたものを、一千ボルトの衝撃と共に忘れてしまいたい。
思考の許容量を超えた破滅は時間を超越するぞ。
緩い錯乱が始まる。

君によく見えるように、世界に先立つものは再び動き出してくれる。
元来た道をたどっていけば生誕想機に出会うだけで、つまらない。
あいつを、あいつ一人だけを運命論的に分離したいんだ。
私は静かに服のしわをのばした、のばしたのばした。(序論)

世界についての話は、二重の書架の間で、電話で話そう。
痛みと瞬間の支柱にぶら下がったブランコが揺れている、その淵で頭を垂れる。
ラディカルに物質性だけを解体していく操作の先に世界がある。
それが事実にしろ、本体にしろ、呪いのステッキは誰かが持つ。

圧倒的飲み物神学第二章の顛末では、あらゆる登場人物が死に至る。
表題作の無い短編集球体が頭の周囲で語っていること。
明日のことや、明日の次を想像して最終戦争のための服を着よう。
自分(アリストテレス)の中で、世界連関の軋む音を聞く。

「駆けろ!破綻の大地を。」

その叫びで、精神病院内部の星なるピラミッドは保護されている。
誰彼構わず白馬大地の解釈を探求せよ。
弱々しい叫びをする不気味の谷の乙女に、なぜ叫ぶのかと問い詰めながら。

人に唯一許された空間は、殺される前の思念荒野だ。

 

「クソが夜。」

中間地点。
ここは千の幸福、あるいは八千度の死についての考察の場だ。

言葉による損傷など!
傷だらけの暗黒メディアだ。
頭蓋骨後背の光輝がその動機であるとしても、
言い表すことのできない隣人には無力だ。
神話の石・領域に食らいつけ。

そうだ。
何も無碍にしてはいけないのだ。
演技する自己のなかで無内容の限界を見るまでは。

純粋な悪態の中でのみ、無の軌道は観察されうる。
哲学書を読んでいるときでも、巨大な芸術に慄くときでもなく…。)

 

アルター・エゴ

鏡立体世界内部の第三の男に語りかけてはならない。
それは君のあらゆるナルシシズムの審問者だ。
残虐の夜や、遠く足元にある世界・大地は彼から君の何をも守らない。

鏡ではなく、鏡のイメージだけで、君はたやすく「私自身」の閾を失う。
幼児に可能なのは既に失くしたカードを揃えることだけだ。
バラバラの想像力のカードは、バラバラの鏡、バラバラの砂となる。

Alice「抽象に黒い影を見出したのは誰でしょう?」
Material「永遠に私であるような白い大地からの反照。」

君の許しさえあれば、道徳的な長編小説はいつだって終わりにできる。
超越的な犬の登場によって、あるいは構造上の恐怖の椅子によって。
どのような読者も、真に直線的な途上では眠るしかない。
いずれひび割れるものに何を託しているのか。
幻視的なパースペクティブか。局地的な寓意か。
全て埋もれた(骨壷の中の)犬・白馬だ。

習慣。反復。音階。自己のシステムを成すのはたったそれだけだ。
どの鍵盤が同一性の原理になるのか。
どの一日が、自我を砂漠の中から引きずり出すのか。
(ひとすくいの砂だけが自我なのか?)

猶予されていた反照が、行為の痕跡を丁寧に取り寄せる。
(たった今、私は私を切り離したのだが、見えているだろうか?)
明日死ぬのだと思うことは、切断された時間への唯一の抵抗だ。
しかし一体何が時間を切断するのか。
私は「ただ善い忘却の神の手によって。」と答えよう。

一方、切断どころではない「断絶の渓谷」を創造する私がいる。
物語の妖精を分解してやろうと思う君を止めたい私が。

システムが矮小化する土台はなんだ。
「私自身」からの距離だ。
信用できない測量者ばかりが私の中に住んでいる。
彼らと共に遊んでやろう。(同じ顔で彼らを犠牲にしながら。)