短歌『2019/6/15~16』

感情に触らないで痛すぎて記憶になるのを止められないから

嘘つきの有象無象の肯定が嘘の恋愛を形づくる 

幸せな終わりの君の顔にゆく終わり無き人生の水滴

泣き声を右耳よりも上で聴く曖昧な腕を放り出して

 

禍々しい孤独深め日常の隅で丸まる部屋でだらける

独りしか二人の部屋にいないのは君の全てが透明だから

温かい雲の機嫌が優しくて横になっても気が狂いそう

感情が指の先から死んでいく部屋の外見てロボットみたいね

 

クッキーの割れた世界に飛び降りる過去を変える血と肉を思う

残酷で美しくなるお腹から裂けて悪夢の人形になる

食べたもの食べられなかったものたちの仲間になって地球になれる

包丁の隣で眠る血だらけで何も言えない廊下の彼方

 

或る愛の植物性の膨らみを笑い合っては「分からないよね。」

どうするも何も無いのに聞かないで君の苦しみなんか知らない

君が今何をしてるか分からない愛してるのか光ってるのか

明日から世界を滅ぼしに行くけどお前はどうするって聞いてみたい