詩『MINIMAL WAVE』

あなたの味覚のように小さな戦士が 
私の網膜の扉と星を見るための天窓から同時に出発する

変わることを意志によって止めた粒子を手にとって
手にとって 手にとって 手にとって君は 誰の眼にも止まって見える
(一体となって動いていることに気づかない群衆)(アメーバの複眼)

欲望は円ではなく無数の歪んだ楕円でできている 
細胞ではなく小舟(深海をゆくことのできる)で

君が不穏な女の微笑を手にしたとして
骨肉を得た粒子が君の至上の所有物を奪いに来る

やがて小さな戦士が永続的なものの中に入り新たな敵を求めて永続的な戦士になる

森の複雑な美より何も見えない夜の底に全ての粒子が待ち構えていることを
そうすることが約束であったことを思い出せ
私が生まれる前に知るべきだったことを 私が生まれる前に見るべきだったことを
永続的な戦士の踊りと粘着性の幻覚の中で思い出せ

私は決して波とは言わない 君がそれを「波だった」と樹に書きつけるまで