あらぬ方向、溺れた腕

集積された有刺の想像、熱糸展開する朝破壊者、
近似タナトスの不協和呪術地図、スプーンを通過する光線族、
静寂の神々を道連れにする、停止した屈折を、忘却類たちが襲う、
 
古き半身に身を伴なわせるため、森の緑色の津波のきわで、
建つ廃土の壁の内側にいて、安らかな闇に塗りつぶされたい、
その傍らに甲骨文字で記された、「あなたと同じ木により掛かること」、
 
(広がった冷たい虚無の蝿が頭に纏わりつく、僕はそれを放心し、跪き、霊として進むしかない、
床の溝は何でなぞられるのか、肉の奥へとねじりこまれた、複数の内臓を保存する、それらを隔てる精神シ柱)
 
更新の無い存在へと、霧散する泡立ち、失われた童夢の地図、
積層する人格のプレーン、立体的な傷で貫かれた傷だらけのガラス箱、
 
記憶の発生源に仕掛けられた一筋のスイサイ、濡れにじむ、くれない、どうなってもよいと、
割かれた心に、壊れてもなお、正常になれ、と、再びもがきうる腕を、あらぬ時間の方向に折ります、
溺れさせるときの、空気の絵すらも蘇るように。