詩『魚料理(地球儀(ソース))』

多種の食べ物 食べるって豊かだ 確かに 
嫌いな人がいない小学校みたいな幸福だ
それは制服でしょうか ペースト状の黒い栄養を見ただけで摂る服は
物のたとえで誤魔化した作家が死んで魚になって殺されて皮膚を剥かれて
緑のソースに沈められている

僕は作家って地球儀だと思う 鮮やかに引きこもる頭に
愛するテーブルを転がってゆく 幾千もの 四角いボール 会話用ゼウス

なんだってお姫様の油で揚げられた開発済みの恋心として解釈できるんだよ
ぱち ぱちぱち ぱち
ぴしゃっ あっつうい 
ああ ああああ 
あせだ あせは あすにながされてゆく

手の中の黄金の耳にささやかれる泡の遺言を聴いたか?
「身ぐるみ剥がされた魚」あるいは「ぬいぐるみ抱いた女」

ここにいる俺たちで大人の地球儀つくろう そのへんうろつく子どもサシでぶっ殺して
と誰かが言った頃だっただろうか ぱん と弾けて無くなったもの ひとつずつ
地球儀になったのだ 地球儀になったのだ と喜んでいました 
足の先から 光る床から 俺たちは伸びる影となって場を支配するコウモリです

会話が無いのではない 泳ぐべき海が無いだけだ 
会話が無いのではない 君以外に話しかけているだけだ

地球儀の青と緑を入れ替えて
緑のところで泳ぐ 魚を人間としよう
牛肉を海として さざなみを国として
血の涙で全てのよごれを洗い流す覚悟なんて
フラフラと酔っぱらいに投げ捨てられたお金のように
フラフラと酔っぱらいに投げ捨てられたお金のように
美しいカーブを描いて球体を描いて魚の苦味を連れて地球儀を目指す
地球儀を目指す そうして皆 地球儀になったのだ(だから君も)

好きをゼロとしてみて 大好きを形作る数字で 自分を慰めることができる
慰めることができる そうして愛は 慰めになったのだ(だから君も)

悲しい心 残酷な評価 また会おう
逆らおう 川の流れにO(オー)!O(オー)!安直な挨拶で殴ろう
裸の魚はどこから来て どこまで行くのか どこで君との絆は燃え盛るのか
まだかかるのか?いつまでが準備だ?
人生の時間は大切に使おう 閑話耐久 話題は地球儀から始めよう