詩『無駄な牛の足音』

粘土状の死体は
自由な惨劇の予兆


力ずくで腑分けする孤独な巫女
女王のための潔癖なルポルタージュ
雲一つないスペクトルの螺旋


虚実の居場所を歯が走る
巣立ちで総毛立った遊び


宝の媒体はどこにあるのか?
偽造した座標を歩かせてみろ


機械の上からかしずいた
聖域の地下にあるシェルター
(膿が願った雷雨)
ケルベロスを赤く塗り固めた
白々しい未来の精神
(交互に入れ替わる視界)


砂金でできた適切な腕
違法な光の悲鳴
うちとける血の開閉音


希少なイオンに覆われた透明な歌声や
海水に関係のある椅子に重なるように
若い黄泉の指揮者によって禁止された
理不尽な解釈の川辺


売買される境界(霊)の知識は
傘のような愛で夜明けと同時に廻る


「無駄な牛の足音・・・」


かくして裁定者の弾丸は召喚される


先日の死体は笛のシステムにスキップされました
(一滴の視線に開かれた文字)
素体に充満する空白は幸せなセーブポイントでした
(にじんだ爪の墓を晒せ)


分類の中心に沿って移動する
呼吸のような涅槃の首で出会う
火星で沈められた一般的な性癖


「騙されてしまえ」


ナースに定義された触覚の葬式では
それ以上青くならない祈りと
流星の情熱が必要とされている


「きっと武器は去るから」


涼しい船隊の楽譜
そのなめらかな紙上で
平行に注意しつつ
目は秋に向かって深まってゆく


浮き輪のパーティー
半分
脅えている