詩『余す余すところの四月の反復』

余す余すところの四月の反復
エッシャーの絵の中に紛れ込んだ蛙の火の玉 
その目の奥に潜むアイス アイス 
アリスとアリス 
その次は凍結された円盤を割って出る 
ニュートン力学の神様の死体 
倍に増えていく狂気もいい 
うるさいほど嬉しいとして 
君の狂ったマンモスの絵に裏側から正しい世界を刻み込む 

ここで間違うのが真理の裏側か 
船員の背骨は金になる 海を超えて 
想像の価値を宿す精神と儲ける暗技の具象 
君の嫌がることをしよう 
足の浮いた隙間に反重力の宝石を見つける 
濁流 濁流と 血が流れる平等 
血に顔は無く 地に足は立つ 
下がった眉を押し上げる気流 
世界傷つけるサイクル 

もうすぐだ 移行の時は近い 
擦り減った脳 模造品の不幸 
回転するモノクロの願望 
球の無い世界で円を崇めて笑おう
混じりけのない澄み切った緑色の肌 
知性の子 
もし明日がアルゴリズムの結晶ならば 
その透明な明るさに太陽は曖昧に拡張してしまうだろう 
この内臓の暗がりに森には無い闇が見えている 

穿つ 
振り返ると電車の中ばかり 

阿修羅死んだあとの世界で 
音が体に遅れて赤く光るバイオ
離脱する色彩の に生きたいの 車輪 車輪 
不味い丸い薬に戻り 無声の上空にただ浮かび上がる 
だけの追い風に乗っている 
雨の降らない寒さの静けさは心に冷たい根を張り巡らせる 
浸食する陽気の青色 再度の不幸の場を降りろ 
先人の私怨 欠けた円陣 バラバラ殺人 
から始める悪の坂道 真っ平ら地球儀 
知ることは忘れることの装飾 

足元に転がる猛毒の綿埃 
物質の悪臭は肉の意思表示 
ただ在ることへの忌避感 
切り裂いて重なる 未知なる雨に傘さす 

祝祭は万物の過程に宿る 
ここに来る前の記憶を捨てて 

誰かが齧った後にまた誰かが齧る神聖な 
炎のような歯型 
もう灰 それからが長い 
どこにもない闇 
永遠の意識よ