20240307 勇者(本)召喚

ある朝のことだ。架空の国があれば架空の作家がいて架空の本があるはずだから、もしどこにも無い本を手にしたければ、それをここに召喚すればいいだけだと思ったんだ。でも、架空の国は架空だから実際にはなくてさ、だから僕は僕自身がそれ、その国になっちゃえばいいんだ。それで国のなかに作家を生んで(もちろん作家にはドラマチックな生涯がある)、作家が本を生む。僕はそれを読む。気に入ったものがあればこちらの世界に引っぱってきたっていい。召喚がいやなら転生でも転移でもなんでもいい。本の異世界召喚、こういうわけです。今僕は僕の中にはもはや何もないから、イマジナリーの世界からの勇者召喚の儀式を執り行って、この無のなかにいるはずの魔王を討伐させる。本よ、無の奥の暗闇に潜んでいるはずのでっかい暗黒の魔王を倒してきなさい。それはいないかもしれないが、あなたが旅立つことで、この世界はたぶん救われるでしょう。