詩『気絶するように』

空間を占める殺戮の母は月夜ではない
(休憩のような軽さ)

標本のための針で朝を失くし
(黒いカーテンが来る)

全方向性の滅びで君は高温に苦しむ
(もう眠れとささやく)

気絶の粘土こねた手のひら透けてなお暗く
(さっきまでの世界保存する)

君はアルミホイルにくるまれて死ぬ
(左手を使ってみる)