詩『偶像と抽象』

過去の偶像を倒そうとする万物は呼吸を忘れて死ぬだろう
何にも噛み合わない暴力には卵を投げたのち鍵をかけてしまえ

抽象へと帰還する道はいつ見ても美しく舗装されている

失敗の幻想に従って蜘蛛が巣を張るように混沌が苦しむところで喉鳴らし
惑乱する精神の周りに置かれた障害物を丁寧に取り除いていく

線の不一致に名前を与えて特別な任務につかせる
野蛮人の号令を無視して私に似せて作られた緻密な精霊は
人生を終わらせる自己規定の暴力を砂の城として静かに崩す

蛇の舌に意味が無くても 
その骨の複雑さに発狂した君の未来は
亡霊となった馬の足跡に隠されている

私は偶像を無視して
窓から侵入する太陽肉の柱を倒す