詩『壁の透視法』

君の骨 担う間もなく 記号格子の内側にある硝子球は
高度な知能を籠に入れ 猫の毛玉として飼育した
市松模様の崩れた箇所を 突いて剣は入り込む
君の組織の奥へ 飛行機のような円錐に乗って 海と見紛う空を刈り取る
指先が 意識の格子を軽く弾いた 可能性を影に閉じ込めるためだ
絶望が滲むだけの 雲ひとつ無い彩度零の場所を 再発見する