穴空きソファーの中で眠る
スピリチュアルに関する中古の文庫
読まれることなく読むこともなく
ひとりで暗いソファの中にひとりで
ひとりで綿に包まれてひとりで虫に食われている
かわいそうに
夢
これが忘れられた本の
末路
無限の可能性があって
悲しくも無意味
どうしたらいいですか
虫に食われてほそぼそと欠片の感覚が広がる
あっちにひとつぶこっちにふたつぶ欠片があり
それはさっき虫の中で眠った
そして
崩れ
風に乗って
フラフラヘラヘラ
そこまでいって
気分は自由
あらゆるものの隙間から地球の手のひらに乗る
自由
そうやってなんにでもなっていく計画である
ボロボロがうらやましいか
豊かだけど?
ありえない景色くっきり見えてる
花の種のような使命も無く
泥水未満
何かにならなくてもいいからここは気楽だ
ずっと気楽な空気の子供
果てしないものにおしやられて
誰の想像も及ばない場所にいる
無数の手足手足
アシアシテッテッ
アシテッテと
ひとりで