詩『雪に触れぬ蛾(蛾に触れぬ雪)』

未来瞳孔界最奥の死人に聞こえるように 私は彼岸をノックする
核心的なものを日ごとに瓦礫にしつつ 純粋錯乱する
不安の影を太陽空間に捨てた夜には 美しき三色光の外界を歩く

立体的な信念が風に揺れながら 互いの辿った道を確かめている
ただ触れないでいただけの悲劇として定義されてしまった関係!
抽象的な感性の無い盲目的な生活の卵は 望まれたとおりに孵る

殻の破片が結晶転生し 凍えた海の新しい生命となる

パトス・純白の壁に 何千もの信仰が暗雲造形の記号を印す 
非-弦の達人となるのは 無法則の緑音を分析した者だけだ
クリスタル感覚が失われた世界流出を前に メッセージを保存せよ

分離と解放 発展と脚色の螺旋でできた愛 そのための回避行動
空間に超越的な痕跡を残すことのできる透明な線を媒介として
氷の華体に憑依した私が その不毛なる隣接原野を発つ