詩『君が自由を刻む音』

ちりが飲みかけた原っぱで
震える象を辿ると
あなたの旅の意味はさきわれになる

肘の球体が影になるところで
霊の手が夕焼けの虹色に重ねられ
物質のうねりを終えたジルジェイドホリックに浮かぶ

救済はすでに灰のうるわしい公理となり
ルューヌの地下水にはじきに発生が宿るだろう

さびしい色の秘密の線が
はねかえす傷のまるみをもって
一つの海を嘘つきの舌におさめている

「そこで父が眠っていたのだ
魔術を大音量で骨にし
そ隙間に未来を閉じ込めたのだ」

燃える工場の瞳
静かな瞳 
残酷にひねられた瞳
普遍の過去で育つ
無限の
窮屈な木漏れ日

あらゆる形の包丁をその光の中に突き立てる
きらめきが巡る公園の遊具を王国の門とする

そのなかでいくつの積雲が膝をついたか
水のふりをした針がそれぞれ宇宙のへりに穴をうがつ
グラシェボリャーキを否定し
消滅したはずの中心を探り
理由を一つの先端に揉み込んでいく

彼ら
動かない上半身たち

贖罪は観察と労働のキメラだ
枯れ葉のなかの微生物が
無駄な音楽とともに
彼女を仕留める
かくして敵の性別は失われ
太陽も無く
平原を真似するサンゴ礁が粉となる

巨大な顔が不自然な笑顔で教会に立ち
窓から見えるやさしい風景を楽しんでいる
息絶えた無数の家畜が冷たくすべり落ち
砂漠に跡を残して転がっていく

出産が時間とともに溶け
シャンバデヒリヤが2つになった
32世紀は明るい
緑色の感情をこぼした
君が自由を刻む音