詩『UNKNOWN SEX』

紫色の放課後。見たこともない蜘蛛がいて、悪の総和がうなされる。そうしてうばわれた血は全部、いっぽんの下僕になった。それを今振り回して歩いている。俺にはやっぱり子猫に見える。

「脱走せよ。」とはっきり聴いた。遠い外国の、陰へ降りようとする空。昼の雨をさけて、渡り鳥を三度繰り返した砂場。まあるい窓がないから、ああ!朝食のデッサンが狂った。

たちくらんだ視線のなかで、知らない性別が地図記号になった。それがこんなにも小さくかたまって、これで傷害罪(!)だって。雲をつらぬいた人が、何もない穴から、虹色の水たまりを採ると、便器みたいに白い、新しい雨が生まれる。

円の法則を超えると、KEEP OUTのほか誰もいない。でも、その屋根に乗ったことだけ、おぼえてる。