詩『私が私の全身の手足』

私が私の全身の手足になったおかげで
既に読んだはずの文章をまた読むような
人の上下の無意識に
上下とわかる印がついた

神に用意されたあらゆる衝動を抱えたまま
時空を歪める鏡に入り空想と現実は
見分けのつかない双子の現在

見つけた言葉が次々と私の新しい温度計になって
ずっと飲み物も飲まずにいる私の
銀の移動を指し示す

これは信仰で
物体とかではもちろんないけど
これまで歩いてきた路がこれから歩く路になるのかもね

あっ 卵が卵に孵り
私が私になる